『鴛鴦歌合戦』の大劇場の新人公演は7月で、初主演の天城れいんさんはしっかりした芝居と着流し姿や涼しい目線で男の色気を表現していて、ヒロインの朝葉ことのさんは、コメディーセンスを発揮し笑いをさらったと好評でした。
２回目の東京公演2023年9月14日の新人公演では各個人の課題はクリアできたのでしょうか？
新人公演は休憩なしの2時間10分くらいなので、本公演の演出とは違っています。
本公演とは違う解釈のお芝居をみることも楽しみの一つです。
では、キャスト別と全体の感想を書いていきます。
この記事でわかること
・鴛鴦歌合戦の新人公演 キャスト別の感想
・天城れいん（浅井礼三郎）
・朝葉ことの（お春）
・海吐あさひ（志村狂斎）
・美空真瑠（峰沢丹波守）
・麗姫（星空美咲）
・秀千代（鏡星珠）
・おとみ（愛蘭みこ）
・蓮京院（詩希すみれ）
・その他キャスト 遠山満右衛門（夏希真斗105期）、藤尾（七彩はづき107期）
・まとめ
キャスト別の感想
天城れいん（浅井礼三郎）本公演：柚香光
104期172㎝です。朝葉さんは163㎝、時々朝葉さんの方が大きくみえてしまう…不思議です。
天城さんは丸顔で可愛らしいのですが、目元をかなり切れ長にメイクされて、カッコいい浪人でした。
かなり柚香さんに指導されたのか、お稽古の成果なのか、立ち廻りもスムーズで迫力がありました。
傘を2本、両手に持っての立ち廻りは大変だったでしょう。
身体のコアがしっかりしていないと傘に腕を持っていかれますから。
れいんさん、綺麗に立ち廻りをしていました。
流石です。
銀橋をお春と共に小走りで逃げるシーンも（お春を助けに行くために礼三郎が走るシーンでしたっけ？）礼三郎の裾を翻し、均整のとれたふくらはぎがみえるあたり、柚香さんとは違う色気があり素敵でした。
客席降りで、ソロがありましたが落ち着いていました。かなりお客様が近いので、やりにくいでしょうが、堂々としていました。
礼三郎がこれまで生きてきた人生のイメージを膨らませ、自然に舞台に息づきたいです。
新人公演パンフレットより
全般に落ち着いてお芝居していて、台詞もソロも上手でした。
舞台挨拶では、「楽しさ、喜び、不安を感じながら舞台に立っていましたがとても幸せで充実していました。新公メンバーの学びの全てを舞台に注いで、上級生のご指導や先生がたのご指導のお陰でやり遂げました。」と挨拶しました。
また、「新公をゴールとせず、種を撒いて成長して行ける様明日からも全力でまいります。」と力強く挨拶をしました。
関連記事：天城れいんは何期？本名年齢・プロフィールと歌やダンスの実力は？
朝葉ことの（お春）本公演：星風まどか
103期の研7で初ヒロインに抜擢！新人公演に出られる最後の期にヒロインをgetしました。
おめでとうございます。
コミカルで可愛らしい町娘を演じ、本役の星風さんも可愛らしかったのですが、より自然体だったように感じました。
私のお春のイメージは朝葉さんでした。
お春の気持ちを乗せた曲を台詞のようにお聞かせ出来るよう声の出し方などを研究し、これからの舞台にも活かしていきたいです。
新人公演パンフレットより
新人公演の声の出し方を研究していた朝葉さんは、お芝居の間や、ソロが台詞の一部のようで朝葉さんの演技力の高さがわかりました。
特に父の志村狂斎との掛け合いが映画でのポイントになっていましたが、海吐あさひ（志村狂斎）とのテンポの良い掛け合いが楽しく、2人とも息が合いお芝居を盛り立てていました。
”ちぇっ”の台詞も可愛らしく、笑いを誘いました。
礼三郎（天城れいん）に嫌味な言い方をしても可愛らしく聞こえ、歌は高音も良く通り、台詞のように聴こえました。これぞオペレッタです。
朝葉さんは長の期なので、舞台挨拶を力強くしました。→（新人公演についての記事を書いています。詳細は関連記事よりご覧ください。）
花組は新型感染症の影響で新人公演が1回しかできていないので、数年ぶりの2回達成です。
喜びもひとしおです。本当におめでとう。
長の期でヒロインに抜擢され、見事にやり切った朝葉さんを祝福します。
また、本公演のショーのパレードで初エトワールに抜擢されました！本当に素晴らしい。光り輝いています。
関連記事：朝葉ことのがついに新公初ヒロインに！プロフィールと歌や芝居の実力は？
関連記事：宝塚新人公演の回数と公演時間は？何期まで出られるの？そして2023年の主演や歴代最多回数のトップスターは誰？（追記あり）
海吐あさひ（志村狂斎）本公演：和海しょう
いやー、素晴らしい父でしたね。
台詞の間が絶妙で、ここまで引き込まれるお芝居をみられるとは思いませんでした。（海吐さんのファンの皆さん、ごめんなさい）
骨董の目利きができないのに、娘の嫁入り資金を作ろうと真面目に考える、すっとこどっこいな父なのに、何故か憎めない父親を絶妙に演じていました。
映画では父が主役の様にソロが多く、芝居も素晴らしかったですが、負けていませんでした。
研7の103期です。実に頼もしい。
花組は安泰だと思いましたね。
関連記事：おしどり歌合戦を宝塚で84年ぶりに小柳奈穂子演出で上演！あらすじと配役を予想してみました。（再追記あり）
美空真瑠（峰沢丹波守）本公演：永久輝せあ
研５の105期です。
少年役が多いですが、骨董好きで湯水のようにお金を使う殿様をコミカルに演じました。
声の通りがいいので、台詞も歌も明瞭でいつでも楽しそうで悩みがないお気楽殿様でした。
身長が168㎝、偉そうに胸をはっても、麗姫（星空さんは身長164㎝）と並ぶと小さく見えてしまう。
本役の永久輝さん（身長は170cm）は美空さんと身長差はあまりないですが、本公演の麗姫の春妃うららさんは161㎝なので、並んでもスラッとみえました。
男役と娘役の身長差は10cm近く開きがあった方が男役が映えますね。
最近の娘役の身長は160㎝から164㎝あり、男役も175㎝以上の方もいます。
着物もドレスも新調が必要ですね。
麗姫（星空美咲）本公演：春妃うらら
気の強そうな麗姫でした。
鴛鴦の香合の話の中で「私はそれでもいいのです。」とフラダンスの様な振付がコミカルで笑ってしまいました。
殿（美空真瑠）とのやり取りで、首を振る度に星空さんのかんざしがカタンカタンと揺れて（演出でしょうが）コミカルなシーンでした。
わかっていても！かんざしが凄く気になる～。
本公演は、こんな感じだったっけ？みたのに忘れていますね。
また、ソロや台詞も明瞭で、特にソロは声がしっかり前に出て、流石ヒロインに抜擢される訳だなと思いました。こういう気の強い役は星空さんの得意分野ですね。
演技力、歌ともに素晴らしいです。
関連記事：星空美咲の歌唱力とプロフィール・新人公演ヒロインでトップ娘役は目の前？
秀千代（鏡星珠）本公演：聖乃あすか
まあ、男前でした。
本役の聖乃さんにメイクを寄せていたのでしょうか？一瞬、あれ？聖乃さんかな？と見間違えるくらい似ていて、美しいイケメンでした。
お芝居は本公演と同じ感じで、台詞も歌も聴き取りやすく、仕草もオーバーぎみでした。
関連記事：鏡星珠の本名・年齢・プロフィールと成績や歌とダンスの実力と新人公演
おとみ（愛蘭みこ）本公演：星空美咲
歌が素晴らしい。影ソロが多い訳です。素晴らしい！
わがままなお嬢様を見事に演じていました。
本役の星空さんが気の強そうなお嬢様なら、愛蘭みこさんは、蝶よ花よと育てられた、ふんわりした根っからのお嬢さまのようでした。
お芝居も間の取り方も、ゆっくり気味でお嬢様らしさを出していました。
蓮京院（詩希すみれ）本公演：京三紗（専科）
研7の103期です。
本役は専科の京三紗さん、日本物の独特な貫禄があり素晴らしい演技力です。
山寺の剣のお稽古後の蓮京院の一言にビックリしました。
それは、日本物の独特な貫禄のある声だったからです。礼三郎の母という立場なので声も老けているはず。
詩希さんは見事に演じていました。凄い！感動しました。
礼三郎に母と名乗る時も、外見だけでなく、殿様の母親という重鎮感のある貫禄ある声でした。
別格娘役ですね。
素晴らしい声の出し方です。詩希さんも演技や歌が素晴らしいと絶賛されてきた娘役です。
いやー素晴らしかったです。
その他キャスト
遠山満右衛門（夏希真斗105期）（本公演は綺城ひか理）が、お春を利用して殿様に取り入ろうとする時の悪だくみの表情が憎々し気でした。
藤尾（七彩はづき107 期）（本公演は美羽愛）が恋の病から立ち直り、父（遠山）を従えてお春を助けようとシャキッとする姿もクスッと笑えました。
全体の感想
2023年3月入団の109期（研１）の8名中、男役5名には役名がありました。花咲城の侍なので割合に出番が多かったです。
沸騰ワードに出演していた”ハルキ”（風見はる帆）もいましたよ。
関連記事：109期の芸名と本名や愛称と沸騰ワード10のハツネスタジオ出身者と親が有名人なのは誰？（追記しました）
チョンパで始まる華やかなお芝居は、本公演にも負けていませんでした。
新人公演の出演者46名で皆歌が上手い！台詞の声もよく通っていました。
プロローグの歌は本公演81名の約半分ですが、華やかさも歌も本公演に負けず、圧巻でした。
チョンパとは？
拍子木がチョンとなって、照明がパッと付いたら複数の出演者が現れる華やかな演出のことです。
鴛鴦歌合戦はプロローグが全員揃って、劇中の和傘を使って歌い踊る華やかな演出でした。
これだけ華やかだと、胸がワクワクして本編を期待しますね。
小柳さんの演出、流石です。
関連記事：全日程完走できるか？花組『鴛鴦歌合戦』大劇場千秋楽のライブ配信の感想。
関連：原作1939年制作の映画『鴛鴦歌合戦』 出演：片岡千恵蔵、 市川春代、志村喬のDVDです。
まとめ
2023年9月14日『鴛鴦歌合戦』の新人公演の配信がありました。花組は数年ぶりに新人公演を2公演上演することが出来ました。（新型感染症の影響で1回しか新人公演ができませんでした。）
おめでとうございます。本当に良かった。
そして、初主演の天城れいんさん、初ヒロインの朝葉ことのさん、おめでとうございます。
2回目の新人公演のキャスト別の感想を書きました。
ヒロインお春の朝葉ことのさんは103期の長の期で新人公演の初ヒロインに抜擢されました。
見事に抜擢に応え、恋敵の2人を押さえて礼三郎と添い遂げます。
歌も台詞の様に聴こえ、台詞もテンポよく心情もわかり、芝居に引き込まれました。
「ちぇっ」の間もよく、そうそう、そう言いたくなるよね。と共感できました。
私は原作の映画を見ていますが、お春と父のやり取りがテンポ良く、いかにも下町のチャキチャキの娘で、骨董品に目が無く後先考えず購入してしまうお人よしな父の姿でした。
宝塚でこれをどの様に演出するのか？物凄く興味があり、実はここまで素晴らしい舞台に仕上がるとは思ってもいませんでした。
演出の力もありますが、研7までの宝ジェンヌの実力の素晴らしさを充分発揮していました。
もちろん本公演は更に細かい所まで研究しながら進化していくので千秋楽の配信が待ち遠しいです。
お春の父の志村狂斎を演じた海吐あさひさんとのやり取りがテンポよく、物語を盛り上げていました。
初主演の天城れいんさんも、落ち着いてクールな礼三郎を演じ、立ち廻りもスムーズでソロも声が良く通り素晴らしかったです。
新人公演は研7までしか出演できず、”学びの場”と言われますが、研1の109期（8名中5名）も役付きで出演し、出番も多く歌や芝居の実力はかなり高いように思います。
見終わって心が温かく、楽しい気持ちになりました。
この配信、出来ればレンタル配信か、ブルーレイで販売して欲しいです。（新人公演の配信を観るたびにタカラヅカスカイステージの放映だけでは勿体ない！の思いが…）
最後までお読みいただきありがとうございました。
関連記事：宝塚新人公演の回数と公演時間は？何期まで出られるの？そして2023年の主演や歴代最多回数のトップスターは誰？（追記あり）
ライブ配信の視聴方法をご紹介します。
劇場まで足を運べない方にはライブ配信での視聴が可能です。
配信の視聴方法はRakuten TV・U-Next・Leminoのいずれかで申し込み後に視聴できます。
花組「鴛鴦歌合戦」
【東京宝塚劇場 千秋楽】
■日時：10月8日（日）13:30公演
販売期間：10月1日（日）10:00～10月8日（日）14:00
視聴方法：「Rakuten TV」「U-NEXT」「Lemino」にて配信
視聴料：3,500円（税込）
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