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『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』星組の礼真琴の技量と暁千星が2番手並みに大抜擢の配信の感想

宝塚星組

Le Rouge et le Noir~赤と黒~』星組の配信を観ました。

衣装もシックな黒でも薔薇柄のレースがおしゃれに華やかになり、赤の衣装はド派手で衣装も「赤と黒」を意識していました。

ジュリアンの素朴な衣装もお洒落なデザインでとてもカッコよかったです。

2020年月組の『赤と黒』とは、全く違う舞台を観ているようでした

映画に近い印象があるのが2020年月組公演でした。

2020年月組公演の『赤と黒』は、脚本は柴田 侑宏さんで演出は中村 暁さんで芝居の要素が濃く演出されていました。

今回は2016年パリ初演のフレンチロックミュージカル潤色・演出は谷貴矢さんで、どのような舞台になるのか?礼真琴さん、有沙瞳さんを始め歌が上手いスターがキャストになっていて、歌が多めであることも楽しみでした。

では、トップスター礼真琴さんから感想を書いていきます。

礼真琴の技量の高さ

襟足を刈り上げた黒髪が新鮮な礼さんは、今回、初の地毛で臨んでいるとのこと。長めの前髪からのぞく伏し目がちな表情から、繊細さと自尊心の強さを、細かな演技力で伝えています。上流階級への怒りと闇に包まれた彼の見た目はひたすらおとなしい青年で、そのため「暗い」と批判されることも少なくありませんでした。しかし、彼には常に両極端な面があって、純情なのか大胆なのか、その切り替えに客席は何度もあっと驚かされます。特に最初の変身場面(?)には、まさに“お客様のハートを一網打尽”と呼ぶにふさわしい電撃ショックで、これぞフレンチ・ロックの醍醐味なのかも⁉

難解なメロディーとリズムを全身で刻み、ハードロックの連続で圧倒したかと思えば、切ない心情を吐露する歌で胸を締め付けられる。ソロナンバーでは、録音した自らの声でハーモニーを重ねているのもさらに耳福でした。

 下級生の頃から歌・ダンス・芝居には定評のあった礼さんですが、その実力はさらに深く、より高まっています。礼さんにとって限界という言葉などないのかもしれません。

朝日新聞デジタル 論座より

最初の聖書を朗読することを力強いロックの曲で歌い上げます。乗りがよく、流石!こっちゃん(礼真琴)だと思いました。

管理人
管理人

しかし私には魔術の呪文にしか聴こえなくて

さながら、エロイムエッサイムの様な!

激しいナンバーでも、歌えて、しっとりした愛の歌も素晴らしく、こっちゃんのこんな姿を観られて本当に良かったです。

そして、雨の中でひそかにルイーズ(レナール夫人有沙瞳)を想い、抑えきれない感情と聖職者への道が葛藤する歌は、圧巻です。

ロミオとジュリエットの時は青年の愛と敵対する家柄に悩み、今回はナポレオンを崇拝して、更に人妻への愛が神への冒涜に思え、大人の抑えきれない感情を歌に乗せていました。

この影ソロは誰?と思ったら、こっちゃんが自分の声を録音しておき、影ソロ風にしたそうです。

管理人
管理人

凄く上手い人が星組の下級生でいるのか!と探そうとしてしまいました。

思い当たらない訳ですね!

何といっても変調やら難しい曲調のロックでした。これはかなり歌が上手じゃないと歌いこなせないですね

ルイーズとの愛のデュエットは、声量も歌の技量もある二人なので素晴らしかったです。

まるでコンサートを聴きに来ているようでした。

そしてジュリアンがルイーズを本当に愛おしく抱きしめるのが伝わり過ぎて憎いです。

♪ルイーズに裏切られ、やっぱりブルジョワだと怒り、でもルーズを信じたかった~♪と切なく、苦しく裏切られた思いで歌う表現も感動し、舞台上では赤い花びらが舞ってとても綺麗でした。

二幕では、ジュリアンはパリのラモール候の秘書になっていました。

マチルド(詩ちづる)に部屋へ誘われ歌うソロが♪怖気れば名誉を失う。でも罠かもしれない♪のバックコーラスの♪愛!罠!♪が耳に残りました。

マチルドの部屋で二人で歌う愛のデュエットは響きが良く、更にルイーズ有沙が加わり3人のデュエットになっていきます。

管理人
管理人

有沙さんの声は聴きやすく安心して心地よく、詩ちづるさんの美しい高音が透き通っていて感動しました。

マチルドが身ごもり結婚を許してもらうが、結婚式直前でルイーズからのジュリアンを貶める手紙がラモール侯爵に届き、屋敷を追い出されてしまいます。

怒りに震えるジュリアンがルイーズを撃ってしまい、牢獄へ。

マチルドはジュリアンを救おうと必死になりますが、すでにジュリアンは自分の運命を受け入れ、「戦いは終わった…」と絞り出すように答えます。

こっちゃん素晴らしい!

管理人
管理人

本気で愛したルイーズを撃ってしまった後悔と、捨てきれぬ愛に、またまた揺れ動く様を演じるのが上手い!

フィナーレで見せたこっちゃんの輝く笑顔が可愛かったなあ。

少しづつ出演者が出てきて歌い継ぎ、最後は白いコート(肩には赤い薔薇、裾には黒い薔薇)のこっちゃんを皆で迎えます。

何か!感動する演出です。

そしてこっちゃんがしなやかで躍動感溢れるソロダンスを披露しました。

管理人
管理人

いつみても素晴らしいソロダンスです。綺麗です。こっちゃんの世界ですね。

マチルドとルイーズが加わり交互にデュエットダンスでフィナーレを迎えました。

最後は、こっちゃんが衣装替えでジュリアンに戻り幕となりました。

暁千星が2番手並みに大抜擢

狂言回しのマジシャン風の衣装のジェロニモ暁さんが力強い声で一番前の席の人をいじり、場を盛り上げていました。

映画の『魔術師フーディーニ』を連想してしまいました。

演出が凄いのか、暁さんの演技なのか一瞬にして物語の世界に引き込むあたりは素晴らしい!ルイーズとレナール夫妻の愛を解説し、ソロ。

管理人
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かなり難しそうな音程の取りにくそうな曲を見事に歌っていました。

暁さん、やっぱりキラキラ感が半端ない!舞台が暗くても目がいってしまいます。

このジェロニモはジュリアンの素性からレナール家に馴染むまでの狂言回し中、子どもたちの影で指導している様子を表現します。

管理人
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ここ、ちょっと好きです。

子どもの頃みた影絵を思い出しほっこりしました。

ジェロニモは物語の影だと言いました。狂言回しで、確かに物語の進行を務め分かりやすかったです。

ですが、ヴァルノ家に招待された歌手で表舞台に立ち、そこからはパリのシーンでジュリアンの友人となり、ジェロニモが光でジュリアンが影と例えられました。

そして狂言回しも最後までありました。

暁さんは台詞も多く、歌も多く、器用にこなされていて良かったです。

ありちゃんの真骨頂をみた気がしました。素晴らしい!

管理人
管理人

まるで2番手?くらいに出番が多いです。

でも歌手としてのジェロニモは、別の方が良かったかなあ。

2016年のミュージカルもそうなのでしょうか?

確かにありちゃんは歌もお芝居も上手でオーラも強く、舞台のどこにいても目がいきます。

Stella Voiceとバレンシアと三つに分かれたのでこうなったのでしょうね。

有沙瞳は安定の歌で光を放つ

Wヒロインともいうべきレナール夫人は数々のヒロインを演じてきた有沙瞳が、マチルドは新進娘役の詩ちづるが演じた。主要スターの暁千星は、ストーリーテラーとして、幕開きから歌にダンスに大活躍。客席をぐいぐいと物語世界に引っ張っていった。また専科の英真なおき、紫門ゆりやも出演。重要な役を演じたひろ香祐、小桜ほのから歌が得意な生徒が多く出演しており、見ごたえ・聞きごたえのある舞台に仕上げていた。

デイリー3月21日より

レナール侯爵と♪正しき行い、役目を果そう♪とデュエットするときは、紫門ゆりあさんに合わせて声量を抑えていました。

管理人
管理人

声量の調整ができる人は本当に歌が上手です。

ロミオとジュリエットでは乳母の役、龍の宮物語では龍神の姫君と全然違う役でした。

特に龍神の姫というスピリチュアルな物語に心をわしづかみにされました。

ジュリアンこっちゃんに愛を告白され、拒絶しながらも受け入れ愛し合う様子が、また影絵で表現され、エリザが目撃してしまいます。

ジュリアンこっちゃんと歌う♪愛のうた♪は二人とも声量もあり素晴らしかったです。

ヴァルノ家の食事に招待され、頭痛で外に出てヴァルノに言い寄られ、平手打ち!本当に叩いた様にみえました!

有沙さんは研12です。エトワールに2回抜擢された実力の持ち主です。

黒のドレスに赤のナイトガウンが一番目立つ衣装で、ほとんど黒のドレスでしたがオーラは強く光輝いて、そして可愛かったです。

龍神の姫というスピリチュアルな物語配信があります。DVD。(配信は終了しました。)浄化されるような作品です。

有沙瞳さんも浄化される作品と言ってましたよ。

礼真琴と有沙瞳と詩ちづるのハーモニーは最高

歌の技量が高いこっちゃん(礼真琴)と有沙瞳さん、そして高音が透き通っている詩ちづるさんのハーモニーはバランスが良く、感動しました。

詩ちづるさんはアニメの声優が出す様な声の時があり苦手なのですが、三人の歌はとても素晴らしく感動しました。

最高なハーモニーを聴かせてくれました。

瑠璃花夏の歌声

レナール家のメイドのエリザ(瑠璃)はジュリアンに惹かれ、ルイーズから恋のアドバイスをもらいます。

ルイーズとのデュエットは心地よく、瑠璃さんは歌唱力もあり、声もとても良く響きます

可愛い声だけどパワフルで有沙さんに負けていません。

ディンドン”二人の想いが伝わる歌でした。

瑠璃さんは研7ですね。

ただ、衣装が赤のミニのバルーンスカートでエプロンなのでメイドカフェの店員さんみたい笑

ひろ香祐と小桜ほのかの策略

のし上がろうとするブルジョワの夫婦です。

ヴァルノひろ香はジュリアンを取り込みレナールを蹴落とそうとしますが、断られ「レナール夫妻が壊れるといい!」と憎らしい言い方!

管理人
管理人

本当に嫌な奴にみえる!上手い!なんだか楽しそうにさえみえました。

ヴァルノはジュリアンとルイーズの関係をエリザの密告文から知り、ルイーズに手紙を読ませてジュリアンと別れるように仕向けます。

ラモール侯爵家の秘書になったジュリアンに社交界で会いラモール侯爵に会えるよう依頼して断られ、ラモール侯爵に偶然会い、資金提供を申し出るのですが、会計のジュリアンに話してくれと言われてしまいます。

ヴァルノ小桜とのデュエットは、ほのかさんの高音が特に心地よく、天使の歌声のようでした。

二人で歌う歌はまるで、ディスニーのヴィランズのショーの様で、ぞくぞくする感覚に襲われました

管理人
管理人

ほのかさんの高音が本当に響いて、ひろ香さんも歌が上手なので黒い悪いイメージの迫力を感じました。

すばらしかったです。

ほのかさんも、この悪い役を楽しんで演じているようでした。

詩ちづると英真なおきの親子愛

ラモール侯爵英真さんは、お芝居も歌も立ち姿も威厳があります。

娘マチルド詩を想う歌は素晴らしかったですが、ロミオとジュリエットの神父を思い出してしまいました。

一方、マチルド詩の衝撃の登場プリンセスプリンセスか、アン・ルイスか?(知らない方もいますよね。古くてごめんなさい)というスタイルでした。

金髪にソバージュのツインテールで、赤の合皮のブラウスのふわふわのミニドレス。赤のレースロング手袋…ロックっぽいです。

そして♪たいくつだ♪と歌います。アニメ風なかわいい声でした。

ジュリアンを部屋へ誘い、二人で愛の歌を歌う時は美しく透き通った高音を響かせていました

この時は黒いロングドレスでしたが、赤の華やかさとは別人の様でした。

衣装でこんなに変わるんだ!華やかさが無くなってしまった…

父親に反対されても、ジュリアンを救おうとする強い想いをよく表現していました。

流石!新公ヒロインで今回の東上Wヒロインです。

管理人
管理人

喪服の様な装いだからかと思いましたが、輝くオーラが薄い気がしました。

研5です。

『ロミオとジュリエット』配信で観られます。こっちゃん、有沙さん最高です!

碧海さりおと希沙薫のダンス

ルイーズに裏切られ、ブルジョワへの怒りとルイーズを想う歌をジュリアンが歌い、赤い花びらが舞う美しいシーンで、碧海さんのソロダンスがあります。

碧海さんはしなやかで美しいダンスで、希沙さんは力強いダンスでした。

碧海さんは指先まで使った表現力でルイーズの花飾りをジェロニモに手渡し、ジェロニモはジュリアンへと手渡します。

二幕は、碧海さんと希沙さんのコント風なダンスで始まりました。

ジュリアンが牢屋に入ってマチルドとの会話後のダンスでは、希沙さんがルイーズの花飾りを受け取り、碧海さんはジュリアンの後ろへ回り抱きしめるようにダンスしました。

フィナーレ

ジェロニモの「愛の戦いはまだ続いている」を合図に、♪赤と黒の世界♪を歌い、次々と出演者が登場します。

ひろ香さん、英真さん、紫門さん、

有沙さん、詩さん、

小桜さん、白妙さん、瑠璃さん、

と歌い継ぎます。

バックでは碧海さんと希沙さんがダンスし、ジュリアン礼真琴を迎えます。

こっちゃん(礼真琴)は白のロングコート(肩には大きな赤い薔薇で、裾には大きな黒い薔薇が描かれています)で現れ、ソロダンスです。

この舞台はほとんど歌だったので、やっとこっちゃんのダンスを観ました。

相変わらず、しなやかで躍動感のあるダンスでした。

そこへ詩さんと有沙さんが加わり、ルイーズとはしっとりとしたデュエットダンスを。

マチルド詩とは楽しいデュエットダンスを踊り、フィナーレになります。

娘役5名と男役5名

白妙さん

小桜さんとひろ香さん

紫門ゆりあさん

英真さん

詩ちづるさん

有沙瞳さん

礼真琴さん(ジュリアンの衣装でした)

そして、紫門さんと有沙さんのデュエット→小桜さんとひろ香さんのデュエット→詩さん、英真さん、白妙さんと歌い継ぎ→暁さんのソロ→全員のコーラスで幕が降りました。

舞台挨拶はこっちゃんが「映画館の皆様はポップコーンは食べられるの?」と質問し、観客から食べられると返事を貰い、満足そうでした。

千秋楽ではないので、舞台挨拶は1回のみでした。

まとめ

星組梅田芸術劇場DC『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』の星組公演を配信で観ました。

歌には定評のある礼真琴さんとWヒロインの有沙瞳さん、詩ちづるさんと歌が上手な娘役・男役が主要な役についていました。

今までにない激しいロックナンバーが数曲あり、さながらロックコンサートの様で、そこから芝居に上手く繋げる演出は素晴らしかったです。

大抜擢された暁さんは狂言回しで台詞も多く、歌うナンバーも多く、しかも歌手として物語に登場しほぼ出ずっぱりでした。

2番手スター並みのハードさでしたが、見事にやり遂げました。

星組は歌が上手いスターが多いですが、その中でも衿抜きの8名(礼真琴・有沙瞳・暁千星・白妙なつ・ひろ香祐・小桜ほのか・瑠璃花夏・詩ちづる)だったと思います。

この舞台はこっちゃんとありちゃんの代表作品になるのでしょう。

本当に素晴らしいロック・ミュージカルでした。配信でこんなに感動したので観劇したかったです。

ブルーレイを購入します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

次は『1789-バスティーユの恋人たち-こちらもフレンチロックです。楽しみ

 大劇場6月2日~7月2日、東京宝塚劇場7月22日~8月27日

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