11月20日東京宝塚劇場の宙組公演「HiGH&LOW -THE PREQUEL-」の千秋楽の配信がありました。
LDHとのコラボ作品で、あの男の世界を宝塚で舞台にできるのか?宝塚の甘いロマンスはどこにも無いのではないか?と気落ちしていました。
カフェブレイクや雑誌歌劇などを目にすることできっと宝塚としての「宝塚のハイロー」になっていると期待して配信をみました。
宝塚ハイロー千秋楽の配信の感想
明日大千穐楽というタイミングで今更なんだけど、宝塚からハイロー履修してくださった人たちはザラを見てくれましたか…??
みなさんが見るべきはどう考えてもザラですよ…… pic.twitter.com/uBEVQwJmKB— まひろ/餃子隊員 (@mahiro_aok) November 19, 2022
「かつてムゲンという伝説のチームが治める地区があった・・・」から始まる狂言回しは組長の寿つかささんで、5つのチームが頭角を現し、SWORDと呼ばれた!と流石の語り口でした。
そして1組づつ、組のテーマを歌いながら次々と登場します。
この構成は素晴らしく、大迫力です。LDHの世界感はちゃんとありますね。
インパクトが強いのは、赤い上着の達磨一家を率いる瑠風さん、金の5連の鎖をジャラジャラ言わせて歌い踊ります。歌が上手いっ!
何といっても一番インパクトがあるのはホワイトラスカルズの赤い皮の手袋でサングラスの芹香斗亜さん、今までの役どころにはない!
凄い悪そうな組だあ~
鬼邪高校(おやこうこう)の鷹翔さんもヤンキー感が出ていました。近づきたくないわあ。
ルードボーイズのリーダーの桜木さん、病弱にはみえなかったけど、猫背でガラが悪そう。
山王連合会のコブラの真風さんは黒の革ジャンで、この中ではまともそう。
宙組は皆歌が上手く、最初から物凄く盛り上がる!
山王連合会のメンバーにドレッドヘアーの亜音有星さん、ホワイトラスカルズには風色日向さんがいました。
山王連合会のコブラからテッツの亜音さん、ヤマトの紫藤りゅうさんの歌い継ぎも流石!宙組の歌の上手さが際立っていました。
そしてホワイトラスカルズが仕切る「舞踊会」に乗り込み、小学校の同級生だったカナ潤花と再会します。
偵察なのに、ひと際目立つ王子様のような衣装でした。
しかも、その姿でカナと再会するんですよ。カナはよく吹き出さなかったなと思いました。
私なら、大爆笑ですよ。
ロッキー芹香はハスキーで低い良い声でソロ。”女性を守る~”という歌が上手い!
山王連合会の仲間には秘密でカナに付き合うことになり、遊園地でお化け屋敷でお化け役を脅かす!というカナの夢を叶えます。
バイクに乗るシーンがカッコいい!舞台が回転してバイクに乗っている様な演出になっていた。コブラの真風さん、足が長くてキレイで素敵です。
映像の効果もあり、バイクの疾走感がありましたね。
時々、カナが振られるのが可愛かったです。
コブラは自分が好きな場所にカナを連れて行き、花火が上がります。このシーンが可愛いカナとコブラが物凄くカッコいい!男の中の男!
床屋での苺美瑠狂(いちごみるく)というレディースメンバー天彩さん達のコーラスがまたまた凄い!
宙組のコーラスは最高。
街の実権を握ろうとする苦邪組(くじゃく)の頭はリン留依蒔世さんはSWORDを滅亡させようとスパイを送り込む。悪そうな顔つきで悪そうにソロ。歌が上手く悪そうな笑顔など表現力も流石!研12の実力。退団してしまうのが惜しいですよ~
このメンバーは宝塚のオリジナルなのだそうです。
凄く怖そうなワルそうなキャラクターばかりでした。
達磨一家の番傘を使うダンスとソロは圧巻でした。瑠風さんのラップもかなり上手です。本当に歌が上手いのでラップも安心して聴けます。
カナとコブラは浴衣で祭りに行きます。カナの浴衣姿は可愛らしく、コブラの浴衣はイナセです。ジェンヌさんなのになんでこんなにイナセに着こなせるのでしょう。
トップスターだから?背も高くて下駄もお似合いです。
日向瑠風が現れ、コブラに喧嘩をふっかけますが、コブラはカナを守れなくなると無抵抗で殴られます。手下がカナを捕まえますが、日向瑠風は手下を蹴りカナをコブラに渡し「次は女無しで」とはき捨てます。
女性を守ると歌ってましたからね。男のプライドですね。
邪鬼高校で村山鷹翔がラップを歌い、番長争いをしてついに番長にのし上がります。
鷹翔さんのラップも上手です。
カナの具合が悪くなり無名街のルードボーイズの所で診て貰おうとします。
スモーキー桜木が低音でLDHの曲を歌います。難しそうなLDHらしい曲でした。スモーキーは身体が悪いが歌は素晴らしく上手いです。
クラブヘブンのパーティーにウェディングドレスのカナと苺美瑠狂が行きます。
歌うコーラスがまたまた素晴らしい。そこで苦邪組にカナが拉致されます。
芹香さん、またまた難しそうな曲を歌いましたが、やっぱり上手ですね。
すると火事になり、他の4組も爆発や火災が発生、全て苦邪組のスパイ達が起こし、5組は揃って押しかけ、この戦いを制します。
かなり病状が悪化したウェディングドレスのカナはコブラの腕の中で死亡します。
不覚にも涙があふれました。
芹香さんが歌を歌い、コブラが『形ある物は永遠にはない、絆は永遠に消えない』で幕が降ります。
花火を観た場所に死んだはずのカナが!『来ちゃった!』と笑う・・・霊ですか?
なんか笑えました。
幻をみたと演出したかったのか?霊にした方がカナの明るさが蘇ることを選んだのか?
謎でした。
いつの間にかコブラは一人になっていました。
感動しました。真風さんの表情が哀しみを誘いました。そして真風さんが男のコブラにしか見えませんでした。
トップスターって恐るべきです。
どれだけお稽古されて、どれだけ努力をされたのか?考えると涙が溢れてきてしまいます。
感動に酔いしれながらショーの為の休憩になりました。
宝塚のショーCapricciosa
舞台とはうって変わって、イタリアの伊達男のイメージのショーの幕が開きます。
プロローグ
赤いスーツとサングラスでキザに!腰に手をあて、渋い男の芹香さん、晴れやかな桜木みなとさん達がソロとダンスをします。嬉しそうで楽しそうです。
ローマ
鷹翔さんと愛未さんの歌とデュエットダンス。お芝居とは違い、俄然色っぽくなりますね。
毎回ダンスが違うらしく鷹翔さんは合わせるのが楽しいと言っていました。
コンビを組んで2回目でこの子とは上手くいくと思ったそうです。
真風さんがジャケットをかっこよく肩に掛け銀橋で皆が並んでダンスします。
その後潤花さんのソロです。いい声で可愛いですね。
芹香さんが黒パンツにベストとハットでかっこよくダンスをします。
そして潤花さんとデュエットダンスをします。潤花さんとのデュエットダンスは「FLY WITH ME」で少しあったらしいですが、ほぼ初デュエットダンスでしたね。
来年は潤花さんはいないんですね。寂しい。
ベネツィア
ゴンドラに乗った瑠風さんが歌い、桜木さんが娘役になり真風さんとデュエットダンスをします。桜木さん娘役は2回目だそう。
真風さんは背が高いので桜木さんの背の高さはあまり気になりません。桜木さんは大人っぽくて美しく色っぽいです。
真風さんの衣装がGRAPHに載っていました。
深い水色にビジューや花の刺繍が素敵でパンツにはスパンコールが使われ、ライトで奇麗に光っていたらしいです。
こんなに豪華な衣装だったんですね。
桜木さんと真風さんの表情やダンスに目がいき、よく見ていませんでした。
真風さんにリフトをして貰います。綺麗です。さっきまでルードボーイズのスモーキーだったなんて信じられません。
中詰め花の都フィレンツェ
”オーソレミオ”を留依さんが銀橋で歌います。
中詰めのナポリ
”カルボナーラ~”と不思議な歌詞の歌い継ぎで始まります。
鷹翔さんと愛未さんカップルのダンスはキレイで楽しそうです。
歌劇でこのシーンの表現を『相思相愛のカップルなので甘く表現した』とインタビュー記事がありました。
見つめ合って楽しそうに幸せそうに指先まで愛未さんが美しく、恋人の様にデュエットダンスは素敵でした。
中詰めのラテン
桜木さんが良い声で歌います。
芹香さんはロケットの娘役たちとダンスします。ロケットのセンターは誰?男役の人だと思うわ~背が高いけど、ダンスが上手くて足が凄く上がっている!
仮面を付けて熱く踊るしかないと鷹翔さんがカフェブレイクで話していました。
確かに力が入っているのが分かりましたよ。
今日入れてあと3日、5公演のみですね🥺
真風さんが宙組みんなが最後まで笑顔で過ごせますように!!
https://t.co/LfDR7xqtFn— kyonzuka🗼*⋆✈🍩 (@zuka_kyon2011) November 17, 2022
ミラノ
桜木さんが”カタリカタリ”を歌い上げます。
桜木さんの記事でも書きましたが音楽学校の課題曲だったそうですよ。
お芝居風になっていました。劇中劇だそうです。
黒スーツの芹香さんと白ドレスの潤花さんが舞台をみている。
真風さんが現れ、潤花さんが駆け寄りデュエットダンス。もうこの二人は来年はみられないんですね。残念です。
その姿を悔しそうに見守る芹香さん、最後には真風さんが潤花さんを芹香さんの元へ、背中を押して返してあげる・・・
切ないな~真風さん。好きな気持ちが分かっても、スマートに男の元へ。
潤花さんは後ろ髪引かれながら芹香さんの元へ。
ローマ
うす紫色のトレンチコートを着ながら(着ている様子もカッコいいんです。)大階段へ、
歌い継ぎのソロで感動的なシーンです。
ロングコートの裾裁きが全員キレイです。
若手の歌い継ぎですね。同じ曲でもアレンジでこんなにパワフルな曲になるのだと鷹翔さんがカフェブレイクで語っていました。
センターは瑠風さんで鷹翔さん、亜音さん、風色さん、あと一人は誰だったか?わかりませんでした。
フィナーレ
中森明菜の「ミ・アモーレ」を芹香さんが歌い天彩さんに歌い継ぎます。真風さんは芹香さんや桜木さんともダンスします。男役同士のダンスって、色っぽいですね。
そしてトップコンビのデュエットダンス。天彩さんがソロです。
男役が開襟の燕尾服で大階段を三角形になり一糸乱れぬように降りてきます。
カッコいい!物凄く揃っています。
宙組は大階段降りが素晴らしいと言われていることがよくわかります。
階段降り
エトワールは留依蒔世さん、素晴らしい歌声でした。声量も有って、これで見納めなのは本当に残念です。有終の美を飾りました。
亜音さん・鷹翔さん・風色さん
↓
天彩さん・紫藤さん
↓
桜木さん(肩に白い羽根)
↓
芹香さん2番手羽根
↓
潤花さん
↓
真風さん
桜木さんの肩の白い羽根は3番手の羽根でしょう。
潤花さんと真風さんと芹香さんは白のスーツと白のドレスの裾にエンジとグリーンの大きめのリボンが付いていました。
可愛いい!
宝塚ハイロー退団者5名
101期花城さあやさん、惟吹優羽さん、100期の琥南まことさん、99期の希峰かなたさん、97期の留依蒔世さんが退団でした。
退団者の習わしがあります。
それは退団日の10日前より、身の回りの物すべてを白色にするそうです。
卒業なので清く美しく去るという意味なのかな?
退団日には皆さんから愛の詰まったプレゼントをいただきます。
そして、退団公演後に「フェアウェルパーティ」があるそうです。
元雪組の綾凰華さんが雑誌の対談で話していました。
彩風さんは物凄く気配りのできる方だと、どうしても話したかったとも答えていました。
退団者の挨拶
花城さあやさんは、沢山の愛を胸にあらたな道を歩んでまいります。
宝物の宝塚の舞台の世界を生きたことは一生忘れない。
惟吹優羽さんは、愛に包まれ切磋琢磨してきた日々、お客様や仲間がいたことに感謝です。
琥南まことさんは、9年間宝塚で過ごした日々は宝物で、明日から新しい人生の幕開け。
希峰かなたさんは、13年前に宙組公演を観て舞台と向き合っていれば強く勇ましくしてくれた。愛と感謝を教わりました。
留依蒔世さんは、舞台を愛し愛されたいと思い、幸せにこの日を迎えられた。
まばゆいこの舞台に一生立つことは無いと思うと寂しいが留依蒔世の長い青春を共に過ごしてくださった皆様に愛をこめて。
私は聞いていて涙が頬を伝っていました。
留依さんは新公主演1回とエトワールに2回抜擢されています。本当に声も良くて歌唱力もある素晴らしい男役でした。
GRAPHの留依蒔世特集で『下級生の時はネコどころか虎を被っている時代もあったが、こんな私でもありのまま自分らしくいていいよといってくれた宙組が大好きですし、宙組で良かったなと心から思います。』
5名の皆さま、お疲れさまでした。
そしてこれからの人生を楽しんでいってもらいたいと思います。
いつも思うのですが、出来れば舞台やTVなどで活躍して欲しいです。
でも、ご本人の思う様に楽しい人生を始めてくださいね。
感動をありがとう。
宝塚ハイロー千秋楽の挨拶
1回目
安堵と共に応援をもらったお客様に感謝の気持ちでいっぱいです。
LDHと宝塚のコラボでこの経験を基に宝塚歌劇で精進してまいります。
”宝塚フォーエバー”を歌い幕が降りました。
2回目
ライブ配信や映画館でご覧の皆様、盛り上がっていますか?
精進して参ります。
3回目
退団者5名に一言づつ挨拶してもらいますが、留依蒔世さんが『覚えてろよ!』と叫び会場を指さしました。
そして『健康とご多幸を祝って』『カルーチェ!』と乾杯しました。
どうしてもやりたかったそうです。
カルトワインですね。
留依さん、最後まで盛り上げる心遣いが憎いです。
真風さんは、宙組が全員揃い、卒業するみんなの挨拶ができてよかった!精進して参ります。
4回目
宙組は今年最後になってしまいました。
宙3本締めで締めたいと思います!と3本締めを
(宙3本締めとは、三々七拍子をタンタンタン(そら!の掛け声)タンタンタン(そら!の掛け声)が入る手拍子のことです。)
本日はありがとうございました。
もう終わりだとお客様が結構帰りかけていました。真風さんのアナウンスも入りましたが、
何と一人で舞台の袖から登場しました。
5回目
本日はありがとうございました!と投げキッスとウインクです。
真風さんの投げキッスは上品ですね。ふわりという感じですね。
まとめ
LDHとのコラボの「HiGH&LOW -THE PREQUEL-」の千秋楽の配信を視聴しました。
男くさい物語で、暴力と権力の争いがほとんどのこの作品を宝塚で上演すると聞いたときはどうなるのだろう?と不安でした。
でも、演出家の野口幸作さんはLDHの要素はそのままに、迫力があり男のプライドや権力争いを宝塚特有の歌にのせて見事に作り上げました。
真風さんをはじめ、宙組全員が一丸となり素晴らしい「宝塚のハイロー」として公演しました。
特に芹香さんや、瑠風さんは今までに無い役柄で、私たちの想像も付かない熱い男を演じてくれました。
レディースの天彩さんも熱の入った演技でした。
その中で余命がないカナを演じた潤花さんは美しく可愛らしく、この物語の一服の清涼剤のようでした。
またショーではコーラスの宙組らしく、素晴らしい歌とコーラスが際立って芝居とは違う色香が漂っていました。
今の真風が率いる宙組は歌・芝居の全てが素晴らしいです。
2023年「カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~」が真風さんと潤花さんの退団公演となります。
とても残念ですが、卒業されることを温かく見守っていきたいです。
真風さんの記事を書いてます
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