2023年2月3日~3月2日まで「海辺のストルーエンセ」が朝美絢さん主演で上演されます。朝美さんの東上主演は2回目になります。
どのようなあらすじでしょう?
またヒロインは誰になるのでしょうか?
まず、あらすじを調べてみました。キャストが決定しました。赤字で追記しています。
海辺のストルーエンセのあらすじ
宝塚のメイクって目の輪郭を大きく取りがちだけど朝美絢さんは目元の印象を派手に変えないとダメな役以外は比較的ナチュラルにメイクを仕上げてる気がする。流石の目力、流石の美貌。
雪組公演 『海辺のストルーエンセ』 | 宝塚歌劇公式ホームページ https://t.co/1u6RRSI6OV pic.twitter.com/1f2gLCJhXN
— 蜂蜜 (@KlT53e) December 8, 2022
北海とバルト海に囲まれた潮騒響く国、女神フレイヤが住まう所・・・
18世紀中葉、若き王クリスチャン7世が治めるデンマーク王国。大北方戦争後の中立政策によって、人々が平和な時代を謳歌していた頃。小さな町医者ヨハン・ストルーエンセは、啓蒙思想に傾倒し、保守的な医療現場を改革しようと奮闘していた。新しい考えを広め、いつか大きな世界で活躍したいという野心を抱くヨハンは、その美貌と賢さ、エレガントな立ち振る舞いを武器に、専属医として王達に近づく。
そこで目にしたものは、享楽に耽る王クリスチャン、無能な王を放任し国政を牛耳る宮廷官僚達、我が息子を王位に就かせようとするクリスチャンの継母ユリアーネとその一派、そして異国に慣れず王と不仲の王妃マチルデ。宮廷は「病」に満ちていた。国政を握り、世直しを行うチャンスとばかり、「治療」を開始するヨハンだったが、次第に孤独な王妃に惹かれていく。
果たして2人の、そしてデンマークの向かう先は・・・
雪組公演 『海辺のストルーエンセ』 | 宝塚歌劇公式ホームページ
作・演出は指田珠子さんです。星組「龍の宮物語」を演出しています。
瀬央ゆりあさん主演で有沙瞳さんがヒロインで、夜叉が池伝説と浦島太郎の要素を足した物語でした。
有沙瞳さんの演じ方が魔物の様で物凄いと評判で、瀬央さん演じる純粋な心優しい青年との絆が悲しく、癒されて心が浄化されるような物語でした。
宝塚の公演の中でも、好きな作品の一つです。日本人の持つ奥ゆかしさや神仏を信じる心や真っ直ぐな青年という設定に共感したことも大きいです。
昔からよく『バチが当たる』といいますね。
特に神社やお墓で大騒ぎをしたり、喧嘩をするときに使われます。
神聖な場所を汚したり、神仏を冒涜するという意味でした。
幼い頃、神社で姉妹喧嘩をすると、母親からよく言われました。
さて、今回の医師ストルーエンセは実在の人物です。デンマークでは学校の授業で使われる史実だそうです。
そこで原作や映画やミュージカルがないか調べて、映画化されていたことが分かりました。
デンマークにて、7ヶ月に渡るロングランを記録した「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」の映画がベルリン国際映画祭銀熊賞W受賞など、主要映画祭が大絶賛した、歴史エンタテインメント大作です。
『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』
(2012年)18世紀の史実に基づくストーリー。
デンマーク王室に嫁いだカロリーネはクリスチャン7世との間に1子を授かるが、国王に精神疾患があったために疎遠になる。侍医となった町医者ストルーエンセは、孤独な王妃の心の隙間を埋め、国政にも関与しだして─ pic.twitter.com/0zs5Zfzqum— 小梅@映画が楽しい! (@plum_allure) December 4, 2022
監督:ニコライ・アーセル
出演:マッツ・ミケルセン, アリシア・ヴィカンダー, ミケル・ボー・フォルスガード
映画「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」のあらすじ
1766年イギリスで15歳のキャロライン(カロリーナ)はデンマークの17歳のクリスチャン7世に嫁ぎます。
そのころのデンマークは検閲制度があり、王妃に迎える人の持ち物まで検閲(本などの思想が強いものは本国へ送り返されます。)されました。
デンマークの国王は統合失調症のクリスチャン7世で、王妃マチルデは寂しい毎日を送っています。
ある日ランツァウ伯爵(啓蒙主義信奉者の集まりのリーダー)からストルーエンセが呼び出され、ランツァウとプラントを側近に戻す約束で国王の侍医にならないかと打診されます。
侍医になり、1769年コペンハーゲンのドイツホルシュタイン 夏の離宮でマチルデとストルーエンセは急接近することになりました。
仮面舞踏会でマチルデとストルーエンセは互いを意識し、恋心を募らせます。
このダンスが二人の愛の炎を燃え上がらせ、大人の関係となります。
見つめ合う二人の気持ちが伝わる素敵なシーンです。
朝美さんと音彩さんでみたいですね。
マチルデは愛する喜びと愛される喜びを実感し、女児を産みます。
そのころ天然痘が特に子どもに大流行し、5歳の王太子フレデリクに種痘(ウイルスのワクチン)をし、成功を治めます。
ストルーエンセはクリスチャン7世が芝居好きなので、議会でお芝居をすればいいとそそのかし、何十年かかることをわずか10か月で次々と法案を通していきます。
その数は数百と言われ、性急に進めてついには国王の書面の元、業務を代行することを約束させます。
1、検閲の廃止
2,コペンハーゲンに孤児院設立
3,拷問の廃止
4,農民の解放、権利を主張できる、罰することは無効
5.軍事費の削減 など。
ランツァウ伯爵が借金をし、その金をストルーエンセに公費から出す様懇願するが、貸してやると言われてしまい、もう自分の思い通りにはならないと覚悟します。
そのころ、ユリアーナ・マリア(クリスチャン7世の継母)と大臣のグルベア達がストルーエンセを陥れるべく危険分子と名づけ、着々とクーデターの準備を進めます。
ストルーエンセとマチルデの不倫は民衆の知るところとなり、1771年に20歳のマチルデが女児を出産しますが、その子はストルーエンセとの不義の子だと強く信じられ、国王の耳にも届きます。
1772年1月8日 舞踏会でクーデターは決行されました。
給与が遅れた水夫や民衆達が『ストルーエンセを追放しろ!』と繰り返しながら宮廷になだれ込みました。
ストルーエンセの逮捕状にサインをしろと国王が迫られ、断りますが最終的にサインをしてしまいます。
ストルーエンセとブラントは逮捕され、拷問にかけられ、不倫を告白させられます。
牧師のミュンターがストルーエンセの独房を訪れ、『処刑当日に国王が恩赦を出す』と告げます。
一方国王はストルーエンセに会いたいので、恩赦を出す日を心待ちにしていました。
処刑当日馬車にブラントとストルーエンセとミュンターが乗り処刑場へ向う時に、恩赦は本当にギリギリなのだと笑っているブラントをよそに、ストルーエンセはミュンターが十字架を握りしめている様子を見て、恩赦は無いことを悟ります。
そしてブラントの血液が残る階段を途中滑って転びながら、処刑台に向って登っていき処刑されました。
カロリーナは21歳でドイツに追放になり、23歳で病気で亡くなり、息子と娘達に遺書を残しました。
二人は病気の父のクリスチャン7世の元を訪れます。
クリスチャン7世は粗暴な教育係に暴力的なしつけをされたことが統合失調症になった要因です。
この時代は精神を病んでいた人が多かったのでしょう。
外に出られない様に閉じ込められたりしました。
この映画では、ストルーエンセは極悪非道には描かれていませんでした。
カロリーナを取り込もうとして不倫に走ったという記述が多いですが、お互いに惹かれ合って愛しあったように描かれています。
知的なナイスミドルでカッコいい、マッツ・ミケルセン(ファンタスチック・ビーストでグリンデルバルドを演じています)はデンマーク出身の俳優です。
毎日寂しいマチルデをストルーエンセが愛して、マチルデはひと時の愛の時間を手に入れ、本当の愛を知ってよかったと思いました。
国王の代行で政治を取り仕切りましたが、貴族の年金を減らし、それを財源にあてましたが、私服を肥やす描写はありませんでした。
ちょっと過激な描写はありましたが、宝塚で演じられるストルーエンセは、マチルデとの愛の素晴らしさとクリスチャンの人生の悲哀にポイントがあてられれば素敵な物語になると思います。
クリスチャン7世は色白で華奢なミケル・ボー・フォルスガードというデンマーク出身の俳優です。
統合失調症という難しい役を、見るものに分かりやすく演じていました。
18世紀ころのヨーロッパの教育はカトリック教会か、プロテスタント教会で教育を受けることが主流でしたが、貴族などの上流階級は自宅で教育係を付けて行うことが多かったようです。
ですから、教育係により、まっすぐ成長するか、行き過ぎた指導で精神が傷つけられるかが決まります。
特に心の病は表面にはみえず、数年後に現れたりするので分からなかったのでしょう。
マチルデはアリシア・ヴィカンダーというスウェーデンの女優(後にトゥームレーダーのララ・クロフトを演じています。アンジェリーナ・ジョリーとは違うララで素敵でした。)で、少女のままで嫁ぎ、母となり、ストルーエンセとの愛で女性へと変わって行く様子がとても印象に残りました。
デンマークの映画からの人物相関図(追記あり)
女神フレイヤ(生と死、愛情と戦い、豊饒神としての性格上、性的に奔放) |
ストルーエンセ
デンマーク王の侍医 | ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ(カロリーナが愛人) | 朝美絢 |
ストルーエンセの側近 | ブラント | 諏訪さき |
クリスチャン7世の妻だが、ストルーエンセの愛人
王妃 | カロリーナ・マチルデ(15歳でクリスチャン7世の妃に) (ストルーエンセと不倫し子どもを産む) | 音彩唯 |
女官 | ルイーセ(親友になる→最後まで見守る) | 華純沙那 |
デンマーク王室
王太后 | ユリアーナ・マリア(クリスチャン7世の継母) | 愛すみれ |
王 | クリスチャン7世(統合失調症) | 縣千 |
王太子 | フレゼリク(クリスチャン7世とカロリーナの長男) | |
義兄弟 | フレデリク(クリスチャン7世の父とユリアナの子ども) | |
侍従長 | ホルク | 日和春磨 |
イギリス王室
王太妃 | オーガスタ(マチルデの母でイギリス王太妃) | 妃華 ゆきの |
ストルーエンセと対立する貴族
大臣 | グルベア(ユリアーナをたきつけ、ストルーエンセと対立する) |
伯爵 | ランツァウ・アシェブルグ(ストルーエンセを利用する貴族) | 真那春人 |
大臣(枢密院議長) | ベルンストルフ | |
ストルーエンセとマチルデとクリスチャン7世について
捨て子のための病院の設立、窃盗犯の死刑廃止や、司法における拷問の廃止、袖の下などの腐敗や追従行為の追放、有力者の家臣が収入の多い公的役職に就くことの禁止など。
今の世の中では考えられない様なことがまかり通っています。
ストルーエンセが追放されて、中世の野望の時代に逆戻りしたことが多々ありました。
ストルーエンセが決行した法案は、ゆっくり決議されれば民衆にも理解して貰えたのですが、10か月間に次々と盛り込まれた為、受け入れられませんでした。
世の中を良くしようと考えていたのは事実でしたが、強引な改革を進めたので反発を買うことになります。
また、人は権力を手にすると人格が変貌するとも言われていますので、議会が無くなったので自分勝手な改革を進めていったのかもしれません。
32-33歳のストルーエンセはマチルデとは心から惹かれ合い愛し合いました。
一方、マチルデは15歳でクリスチャン7世に嫁ぎ、母となりますが夫のクリスチャンを愛せず、孤独な毎日を送っていました。そこへストルーエンセが現れ、いつしか愛するようになります。
この時マチルデは20歳くらいでした。
宮廷内で秘密の逢瀬を繰り返し、ついに子どもを身ごもりストルーエンセに告げますが、最初は産むなと懇願されます。ですがマチルデは強い意思で産むことを決意し女児を出産しました。
マチルデは初めての愛で愛する人の子どもを産むことに喜びを感じたのでしょう。
クリスチャン7世は幼少期の粗暴な教育係の行き過ぎた指導がなければ、病気にならずに国王としてマチルデを愛し仲良くデンマークを治めていたことでしょう。
ストルーエンセを侍医にすることはなかったでしょう。当時クリスチャン7世は22歳くらいです。
仮に侍医にしても、枢密院に参加させたり、自分の代行をたのむことも無かったと思います。
運命はわからないものです。
海辺のストルーエンセの配役予想をしてみました(追記有)
ヒロインは音彩唯さんでしょう。朝美絢さんとは美男美女で二人とも金髪でヨーロッパ風なイメージを出せる様なビジュアルです。
ポスターの朝美さんのストルーエンセは黒髪でしたね。
クリスチャン7世(17歳からを演じます)は縣千さんで、どのように病気を表現されるのか難しい役ですが、是非頑張って貰いたいです。
「蒼穹の昴」の光緒帝を懸命に演じています。研9ですからかなり実力もついてきているので楽しみです。
女神フレイヤは「夢介千両みやげ」の新人公演でも活躍の104期の千早真央さんが歌が上手なのでやってもらいたいですね。五明楼の芸者で、姐さん方が勢ぞろいした場面で歌う芸者さんを演じていました。
入団成績は4番と優秀なのでダンスもきっと上手だと思います。
指田さんの演出では妖精や女神がダンスするシーンが多かったように思いましたので。
王の侍医 | ヨハン・フリードリヒ・ストルーエンセ(マチルデが愛人) | 朝美絢 |
王太后 | ユリアーナ・マリア(クリスチャン7世の継母) | 愛すみれ |
王 | クリスチャン7世(統合失調症) | 縣千 |
王妃 | カロリーナ・マチルデ(15歳でクリスチャン7世の妃に) (ストルーエンセと不倫し子どもを産む) | 音彩唯 |
王太子 | フレゼリク(クリスチャン7世とカロリーナの長男) | |
義兄弟 | フレデリク(クリスチャン7世の父とユリアナの子ども) | |
側近 | ブラント(ストルーエンセの側近) | 諏訪さき |
王妃の女官 | ||
大臣 | グルベア(ユリアーナをたきつけ、ストルーエンセに対抗する) | |
伯爵 | ランツァウ・アシェブルグ(ストルーエンセの後見人 →ストルーエンセに対する陰謀の首謀者) | 真那春人 |
大臣 | 華純沙那(枢密院議長) | |
役者 スサンナ/カロリーネの曾祖母 ゾフィア・ドロテア | 白峰 ゆり | |
女官 | ホルスタイン伯爵夫人 | 妃華ゆきの |
侍従長 | ホルク | 日和春磨 |
役者 | ヘンリック/フリードリヒ2世 | 一禾あお |
侍女 | エリザベート・フォン・エイベン | 華純沙那 |
まとめ
2023年2-3月公演「海辺のストルーエンセ」のあらすじと人物相関図や映画からの配役の予想をしてみました。
2番手の朝美絢さんが主演です。
黒髪の美貌と賢さが溢れるポスターに仕上がっています。
デンマーク王室で実際に起こった国王と王妃と侍医のスキャンダルにより、人々に反感を買い、クーデターが起き、ストルーエンセは処刑されてしまいます。
王妃マチルデは追放され、イギリスにも戻れずに病気になり23歳で亡くなりました。デンマーク王妃になり8年の短い生涯でした。
マチルデの青春はストルーエンセとの愛を確かめ合った年月だけでしょう。
ヒロインは音彩唯さんだと予想しますので、可愛い少女から母、女として変わって行く様子をきっと上手に表現されると思います。
朝美さんと音彩さんの秘密の逢瀬を是非観たいです。
そして統合失調症という難しい役の縣さん(予想です)に期待したいです。
また、指田珠子さんのキレイな衣装や演出にも興味津々です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
レンタル終了したので、ブルーレイをご紹介します。
2022年「夢介千両みやげ」トップスター彩風咲奈さん・トップ娘役の朝月希和さん・2番手の朝美絢さん、3番手の和希そらさん出演!みたあとにほっこりすっきりする時代劇です。
ショー「Sensational!」和希そらさんがはじける笑顔でダンスし、歌が上手い朝美絢さんの軍服姿がとても素敵でした。中村一徳さんの演出でした。私の大好きなショーです。
「Sensational!」の感想書いています。
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