2002年花組公演「月の燈影(ほかげ)」をバウホールで2023年6月14日~6月25日に月組での再演が決定しました。
主演は101期の礼華はるさんです。
バウホール初主演おめでとうございます。
では、「月の燈影」はどのような舞台なのでしょうか?
あらすじや礼華はるさんの主演公演を調べてみました。
月の燈影のあらすじ
江戸後期。欲望渦巻く新興地「川向う」を舞台に、再会した幼なじみ二人の運命を描く。’02年花組。宝塚バウホール。作・演出は大野拓史。
彩吹真央、蘭寿とむ 他。
「江戸」に加えられて間もない大川(隅田川)の東岸は、「川向う」と呼ばれて新興地ゆえに町奉行所の手の及ぶところが少なく歓楽街として独自の発展を続けていた。また「江戸」にいられなくなった人が逃げ込む場所でもあった。
「江戸」の火消し、次郎吉(蘭寿)は、仲間の妹をめぐって「川向う」を仕切る淀辰(夏美よう)の手下と対決するが、「川向う」にいながら淀辰に従わない「通り者」達を仕切る幸蔵(彩吹)に助けられる。
幸蔵の姿に今は行方の分からないかつての幼馴染の面影を見た次郎吉は、彼を追って「川向う」に渡る。次郎吉と芸者・喜の字(沢樹くるみ)の出会い…、さまざまな人間模様が交差する。
スカイステージより
アメブロ投稿の方が、感想として、『時系列に話が進まないので、9年前に遡り、そこからさらに過去の話が出てくるので、頭を整理しないといけない。』と記載していたことで公演のみでは分かりずらい部分があったようです。
この度は、幸蔵を主人公に、次郎吉と別れ、再び巡り会うまでの時に奥行を持たせ描き上げる。父親の借金により姉が身売りされたと聞き、火消の組を飛び出したきり行方知らずになっていた。
幸蔵は姉の身売りで人を殺めてしまい、行き場を無くしたところを淀辰(夏美よう)に拾われ川向うの住人になっていました。
しかし淀辰の手下として汚いことをさせられる幸蔵を見かねた姉が自害したのを機に、幸蔵は淀辰と縁を切り、両国を拠点に通り者たちを守って生き抜いてきたのでした。
文政六年、夏。向両国の通り者達を仕切る幸蔵は、借金の形に連れ去られる仲間の妹を取り戻そうと奮闘する町火消「ろ組」の次郎吉の姿を見掛け、助け舟を出す。幸蔵の姿に、行方が分からなくなっていた幼馴染・幸の面影を見出した次郎吉は、その後を追って大川を渡り、危険な新興地へ足を踏み入れていくが……。
宝塚ホームページより
2023年の月組公演では、時系列ではなくても観客に分かりやすく狂言回しがあるといいのですが…
また、幸蔵が川向うに行くことになった理由を深堀りしていくのだと思います。
礼華はるさんは長身でイケメン!舞台でも目を惹くスターです。
グレート・ギャツビーのピロキシー(ギャツビーの執事)役で、裏社会のマイヤー達と踊る群舞がかっこよかったです。
月の燈影2002年花組のキャストと月組キャスト予想(追記あり)
追記)すべてのキャストが発表されました。
2002年花組 | 2023年月組 | |
次郎吉(「江戸」二番火消「ろ組」の平人) | 蘭寿とむ(研7) | 彩海せら |
幸蔵 | 彩吹真央(研9) | 礼華はる |
芸者の喜の字(門前中町の芸者) | 沢樹くるみ | |
淀辰(淀屋辰五郎)(「川向う」一帯を仕切る地回り) | 夏美よう | 夏美よう |
丑右衛門(火消「ろ組」の頭取) | 一樹千尋 | 悠真倫 |
おゑん(淀辰の女房で船宿のお内儀) | 城火呂絵 | 梨花ますみ |
大八木七兵衛(「江戸」北町奉行所の同心) | 悠真倫 | 春海ゆう |
お勝(幸蔵の姉) | 奈月みか | 麗泉里 |
莚蔵 | 紫陽レネ | 朝陽つばさ |
松廼屋六八(太鼓持ち) | 月路奏 | 蘭尚樹 |
芳三 | 音瀬朱夏 | 空城ゆう |
蝶之助 | 妃純凛 | |
甚吉 | 甲海夏帆 | |
文字春(「川向う」の端唄の町師匠) | 幸美杏奈 | 天愛るりあ |
橋本佐内 | 音瀬朱夏 | 柊木絢斗 |
粂八(「川向う」の通り者) | 嶺輝あやと | 大楠てら |
三吉(「川向う」の通り者) | 瑠音舞佳 | 彩路ゆりか |
元吉(喜の字の芸者仲間) | 華城季帆 | 咲彩いちご |
伊七(川向うの通り者) | 望月理世 | 真弘蓮 |
清次 | 月乃だい亜 | |
おとせ | 隼颯希 | 静音 ほたる |
与茂七 | 槙照斗 | |
筆松 | 紫峰七海 | 水城あおい |
お壱(「川向う」の巾着切り) | 桜一花 | 花妃舞音 |
藤助 | 千尋悠 | 和真あさ乃 |
お鈴 | 蘭叶みり | |
安五郎 | 大瀬いぶき | |
お橘(火消仲間・伊之助の妹) | 姿央みやび | 澪花えりさ |
新助(喜の字の弟。髪結い) | 桐生園加 | 一輝翔琉 |
源公 | 相星旬 |
2002年の花組はW主演でした。
次郎吉の蘭寿とむさんは、9年後に花組のトップスターになります。
幸蔵の彩吹真央さんは古巣の雪組2番手として8年後に退団します。2番手スターなのにサヨナラショーがあり、雪組を支えてきた功績を讃える待遇だったと思われます。
(サヨナラショーは通常トップスターが退団する公演の千秋楽の後にあります。)
SNSではこの公演の感想が、次郎吉も幸蔵も芝居が上手く、心に残る作品の一つだと表現されていました。
芸者の喜の字には、白河りりさんか、ダンスがキレキレな結愛かれんさんが思い浮かんだのですが、物凄く残念ですが、結愛カレンさんは2023年4月30日にご卒業!この時にはもういないんですよ。
ブラックジャックのベリンダ先生は好演でした。
ショーFULL SWINGでは、ジゴロのシーンで風間柚乃さんとダイナミックなダンスを披露しています。大人っぽくて本当に素敵でした。
次郎吉は彩海せらさんにやって欲しいです。あくまでも私の願望です。
礼華はるの主演公演
2021年5 – 8月 | 桜嵐記 | 新人公演初主演 |
2022年1 – 3月 | 今夜、ロマンス劇場で | 新人公演主演 |
2023年6月 | 月の燈影 | バウ初主演 |
「桜嵐記」の舞台挨拶では皆さまと過ごしたこの時間は共に今を生きていると実感したとても幸せな時間でございました」と感謝の思いを述べました。
178cmと長身で、舞台映えする容姿。正行は「太くまっすぐな、しっかり根を張った人物」として、本役の月組トップスター珠城りょうに当て書きされた役でした。
本公演は確かに珠城りょうさんが輝いていて、素晴らしい舞台でした。
一人一人がしっかり役になりきり、お芝居を演じていて、芝居の月組とは、こういうことかと納得しました。
初の新公主演となった礼華も、まっすぐに向き合い、体当たりで挑戦していた。
「正行が限りある人生をまっすぐに進んだように、私たちも限りある新人公演を仲間と支え合って迎えました」とあいさつすると、客席も大きな拍手で応えていた。
限りある新人公演の時間の中で、自分たちと向き合い、上級生の方々から目に見えない志や思いも学び、受け継いでいきたい」と新人公演にかける思いを新たにした。
ファンに向けては「不安な状況の中ですが、ともに今を生きていると実感でき、幸せな時間でした」と感激を表した。
日刊スポーツより
カフェブレイクでは、『珠城りょうさんには色々指導していただいた。こんな幸せなことはないと思う』と話していました。
「桜嵐記」の配信が観られます。(レンタルできます)
「桜嵐記」は鎌倉幕府崩壊後の南北朝時代を舞台に、南朝の武将・楠木正行(まさつら)が己を貫いて北朝との戦いに打って出る様子を描いています。
散り行く運命に立ち向かう毅然とした雰囲気も醸し出していて高評価でした。
礼華さんは伸びやかな歌声を披露しました。2020年秋の「ピガール狂騒曲」で新人公演初主演予定でしたが、新型感染症の影響で新人公演は約一年半ぶりに再開されました。
「今も収束の兆しが見えない中、お客さまの前でできたこと自体が奇跡」と話し、舞台に立てることへの喜びと感謝の気持ちを忘れません。
本公演では権七【楠木の郎党】役で出演しました。
ショー「Dream Chaser」では、舞台映えする長身でキレのあるダンスや歌を披露していました。
男女混合のタンゴの群舞がとても大人っぽくて、足さばきがカッコいいです。礼華さんは足も長いので素敵ですね。
月組のタンゴが大好きです。
2022年1-3月「今夜ロマンス劇場で」は2回目の新人公演主演です。
「前回はちょっと力んでしまったんですが、今回は楽しんで、きちんとこの芝居、役をお届けしたいと思い、稽古をしてきました。新人公演最終学年の7年目で、長の学年として皆を引っ張っていけるよう気を引き締めて、お稽古に臨みました」と振り返りました。(日刊スポーツより)
お芝居の『自分が夢を持たないといい物を作れない』とかセリフに背中を押されました」と、劇中のセリフがそのまま自身への励ましになったそうで、丁寧な芝居で最後の新人公演に望んでいました。
物語では映画が重要な鍵を握り、健司と美雪も、ステージいっぱいのスクリーンに映し出される。
普通の青年の健司を表現するのに時間がかかったが、自分との共通点の感情表現が豊かではないところや、立ち方の癖を月城さんから指摘され気をつけました。
前のめりになっていたので、気をつけると声も良く出て立ち姿もキレイになりました。
月城さんにも色々ご指導いただき幸せです。
最後の新人公演なので、自主稽古を下級生に教えることができ、研2の花妃舞音とは沢山話し、普段からかわいらしくお姫様がピッタリな子でした。
「きちんとは見れてないのですが、あまりの大きさに迫力があって。ふだんカメラで撮られることはないので、(本物の)映画みたい」と笑顔をみせていました。
ショーでの立ち姿は本当に素敵でした。自信が溢れてイケメンな男役です。
今夜、ロマンス劇場で2022年1月収録のDVDです。
主演:月城かなと・ヒロイン:海乃美月ほか
舞台のどこにいても目を惹くオーラがあります。「ブラックジャック」では階段降りも単独でした。素晴らしい成長ぶりです。
関連:2022年ブラック・ジャックのブルーレイ 主演:月城かなと、海乃美月、風間柚乃、光月るう、凛城きら(専科)
月の燈影の作・演出は大野 拓史
1999年星組 主演:彩輝直 演出家デビュー作 | エピファニー‐「十二夜」より‐ |
2000年月組 主演:霧矢大夢、大和悠河 | 更に狂はじ |
2002年花組 主演:彩吹真央、蘭寿とむ | 月の燈影 |
2004年星組 主演:真飛聖 | 花のいそぎ |
2006年星組 主演:立樹遥 | フェット・アンペリアル‐帝国の祝祭‐ |
2007年宙組 主演:蘭寿とむ | NEVER SLEEP |
2011年宙組 主演:北翔海莉 | 記者と皇帝 |
2015年月組 主演:珠城りょう | Bandito -義賊 サルヴァトーレ・ジュリアーノ- |
2023年月組 主演:礼華はる | 月の燈影 |
大劇場の脚本・演出作品は8作品で、東上・別箱公演は5作品でした。
『これだけいろんなジャンルの芝居を“宝塚色”で染められるのはすごいし、ガツガツせず抑制がきいた品のよさがいい。もっと早くから見たかったと思いました。
バウホールはふつうの芝居を作れますが大劇場で舞台転換の技術に興味がわいてきたので、スケールの大きさを生かした演出を勉強したい。』
とSUMIRE STYLEのインタビューに答えていました。柴田先生のファンだとも語っていました。
また、SNSでの大野さんの特長は、日本物にこだわりがあり、歴史背景に裏打ちされた作品を作り、末端の生徒一人一人に至るまでこだわった役を与えるそうで、恋愛より男性同士の友情の印象が強く残り、センスが良い。という意見が多数ありました。
まとめ
101期の研9の礼華はるさんが2023年6月14日~6月25日にバウ初主演が決定しました。
クラシックバレエやコンテンポラリーダンスを習っていたそうで、長身でダンスは勿論上手ですが歌や芝居も上手です。
2002年に花組が公演した、「月の燈影」が21年ぶりの再演となります。
日本物で、少し視点を変えた舞台になりそうです。
ちょっと、罪を背負った影のある幸蔵役が礼華さんのオーラをより輝かせる様に思えます。
カフェブレイクでの話し方は落ち着いた柔らかい感じでした。
どんな幸蔵を演じてくれるのか期待したいです。
男役は10年で一人前だそうですので益々精進して、包容力が自然と出る男役を目指して貰いたいです。
今後の成長が楽しみなスターです。
見守っていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ブラックジャック宝塚の28年ぶりの再演のあらすじと月組の配役の詳細は
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